Posted at April 13, 2015
2000年以降にデザイン誌「アイデア」で掲載された欧文書体デザイン関連の特集記事約20本を、約350ページにわたる大ボリュームで採録したコンピレーション。90年代のデジタル技術による革新にはじまって高度な発展と多様化を見せてきた欧文書体デザインの世界を、各プロジェクトの詳細な解説、タイプデザイナーへのインタビューや研究者による論考を通じて紹介。
私たちがPCや携帯情報端末で日常的に慣れ親しんでいる欧文フォントは、15世紀にグーテンベルクが活版印刷術を確立して以来の伝統と革新のうえに生み出されてきたものだ。
長年にわたって金属活字が主流だった欧文活字の世界に大きな技術的革新が訪れたのは、1980年代のMacintosh到来とDTP環境の普及だった。デジタル技術がそれまでの職人的世界から書体デザインを開放したことで、欧文書体は爆発的な勢いで増えていった。
1990年代は伝統書体をとりあえずデジタル化したものや、デジタルならではの可能性を追求した実験的書体が中心だったが、歴史研究の進展やコンピューターの処理能力向上、インターネットの普及とともに、近年ますます洗練された書体が生み出されるようになっている。
本書ではこのような四半世紀にわたる潮流全体をカバーし、グローバル化が進む現代において、デザイナーはもとより日々フォントに接する一般的ユーザーにとって重要なものとなっている欧文書体のデザインとその文脈を提示する。
グラフィックデザイナーさん、エディトリアルデザイナーさん、Webデザイナーさんにお勧めの一冊です。